Japanese
English
Bedside Teaching
血管性認知症と混合型認知症
Vascular Dementia and Mixed Type Dementia
馬原 孝彦
1
,
羽生 春夫
1
Takahiko Umahara
1
,
Haruo Hanyu
1
1東京医科大学高齢総合医学分野
1Departments of Geriatric Medicine, Tokyo Medical University
pp.301-307
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205926
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はじめに
以前より本邦では血管性認知症(VaD)が注目され,その頻度はアルツハイマー病(AD)より多いとされていた.しかし認知機能障害の概念の変化,臨床画像の進歩,免疫組織化学を取り入れたADを含む変性型認知症の病理診断の進歩などにより,近年は純粋なVaDは限られた病態と認識されつつある.そして高齢者では脳血管障害(CVD)を伴うAD(AD with CVD)が多いことが指摘されている.ただしVaDとAD with CVDおよび混合型認知症(VaD+AD)の病理学的な鑑別基準は明確でない.よって現時点ではその臨床的鑑別が困難な症例がある.別に,遂行機能障害を認め記憶障害が目立たない病態として血管性認知機能障害(vascular cognitive impairment)の概念も提唱されている.本稿では,まずVaDの診断基準と病型分類を解説し,特にBinswanger病については別項で概説する.次にVaDの治療を述べる.さらに混合型認知症の問題点と鑑別について解説する.
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