Japanese
English
綜説
心室頻拍に対する非薬物療法
Non-pharmacological Therapy for Ventricular Tachycardia
松下 紀子
1
,
副島 京子
1
Noriko Matsushita
1
,
Kyoko Soejima
1
1杏林大学医学部付属病院循環器内科
1Department of Cardiology, Kyorin University Hospital
pp.74-80
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205620
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はじめに
心室頻拍(ventricular tachycardia;VT)に対する非薬物療法は,心臓電気生理学的検査法により頻拍の詳細な機序が明らかにされるとともに発展してきた.1970年代には,主に心内膜切除術を用いた外科的不整脈治療が行われていた.80年代に直流通電によるカテーテルアブレーション,そして高周波通電によるカテーテルアブレーション治療が行われるようになった.その後,三次元マッピングシステムの発展とともに,不整脈の基質を視覚的に表示し,不整脈基質となりえる異常電位の特徴が明らかになりその治療成績が飛躍的に進化した.近年では主に造影MRIにて不整脈基質の分布や範囲を同定して治療や予後評価に活用されている.また,植え込み型除細動器(ICD)は,大規模臨床試験から心臓突然死予防のための絶対的な効果が明らかにされ,植え込み例は年々増加してきている.VTの治療では,薬物療法に加えて,アブレーション,ICDといった3つの治療を患者ごとにうまく組み合わせていくことが求められる.本稿では,VTに対するアブレーション,ICD治療について述べる.
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