Japanese
English
綜説
呼吸器領域のFDG PET-CT—非腫瘍性疾患への応用
FDG PET-CT of the Chest:Application for Non-oncologic Disorders
野上 宗伸
1
Munenobu Nogami
1
1高知大学医学部附属病院PETセンター
1PET Center, Kochi University Hospital
pp.69-73
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205619
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はじめに
18F-fluoro-2-deoxy-D-glucose(以下FDG)はPETを用いたイメージングにおいて最も広く用いられている放射性医薬品である.FDG PETによる分子イメージングの手法は,糖代謝情報に基づいた異常を検出可能で,多くの悪性腫瘍の診断に有用である.また,活動性炎症をはじめとする腫瘍以外の病態にもFDGは集積し,これらの評価にも用いることができる.FDG PETあるいはPET/CTにおける呼吸器疾患への応用としては肺癌が中心となり,既に多くの報告がなされ,その有用性は広く認識されている.一方,炎症性疾患をはじめとする非腫瘍性病変においてもFDG PET(/CT)が有用であると報告されているが,臨床的には腫瘍に対する利用と比すと限定的である.その理由の一つは非腫瘍性疾患に対するFDG PET(/CT)の保険適用が極めて限定的である点にあるが,腫瘍以外の有用性に関する認識が不足している点もある.本稿では,腫瘍性疾患以外の病態におけるFDG PET(/CT)の有用性や限界を述べ,臨床的有用性に関して考察する.
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