Japanese
English
特集 Budd-Chiari症候群をめぐって
Budd-Chiari症候群の臨床—序論
Budd-Chiari syndrome:the introduction of surgery
小澤 和恵
1
,
熊田 馨
1
Kazue Ozawa
1
,
Kaoru Kumada
1
1京都大学医学部第2外科
1The Second Department of Surgery, Faculty of Medicine, Kyoto University
pp.1155-1157
発行日 1989年11月15日
Published Date 1989/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205571
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Budd-Chiari症候群は、肝部下大静脈閉塞症に対する膜破砕術の考案1)によって一挙に臨床家の興味を集めるに至ったものである。この術式につづいて,Ohara I2)によるバイパス手術,Eguchi S3)によるカテーテル法などが発表され,これに触発されて本症の診断治療は内外において急速に発展した。しかし急性慢性の肝静脈閉塞例,肝機能高度障害例,さらには肝癌,腎癌症例などいまだに治療から取り残されているものも多く,一層の進歩が望まれるのである。
きたる1991年京都においてBudd-Chiari症候群国際シンポジウムが開催されるが,この機会に,かぎられた領域を越えて,血液学,癌治療学,肝臓病学,画像診断学,放射線,心臓血管外科,肝臓外科,移植外科各領域の叡知を糾合して本症患者の救済に貢献したいと願うものである。
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