Japanese
English
解説
肺レイノー現象
Pulmonary Raynaud's Phenomenon
桑平 一郎
1
,
井出 満
1
,
市川 幸延
1
,
太田 保世
1
,
鈴木 豊
2
Ichiro Kuwahira
1
,
Michiru Ide
1
,
Yukinobu Ichikawa
1
,
Yasuyo Ohta
1
,
Yutaka Suzuki
2
1東海大学医学部内科
2東海大学医学部放射線科
1Department of Medicine, Tokai University School of Medicine
2Department of Radiology, Tokai University School of Medicine
pp.617-623
発行日 1989年6月15日
Published Date 1989/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205489
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はじめに
レイノー現象Raynaud's phenomenonは,膠原病の中でも全身性硬化症progressive systemic sclerosis(PSS),混合性結合織病mixed connective tissue dis-ease (MCTD)の症例に出現する頻度が高いが,これらの疾患において,内臓領域の血管にも血管攣縮現象が発現するてとが示唆されている。なかでも,肺血管系においては,この血管攣縮現象は肺レイノー現象pulmona-ry Raynaud's phenomenonと称され,症候としてのみならず,これらの疾患の予後に影響を与える肺高血圧症の発生機序の重要な原因として論じられている。しかしながら,右心カテーテル法にて寒冷刺激時の肺循環動態を検討した研究の中には,肺レイノー現象を観察し得なかったとする報告もあり,いまだ肺レイノー現象は病態として確立されたとは言い難い。本稿では,自験例を含めこれまでの報告を紹介しながら,肺レイノー現象について解説を加える。
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