貧血 実臨床に役立つ診療のポイントと最新の知見 貧血の治療のポイント
冷式抗体による自己免疫性溶血性貧血
臼杵 憲祐
1
1NTT東日本関東病院 血液内科
キーワード:
感染
,
血漿交換
,
好中球減少症
,
多剤併用療法
,
肺炎-マイコプラズマ性
,
貧血-溶血性-自己免疫性
,
多施設共同研究
,
Fludarabine
,
Rituximab
,
保温
,
冷式抗体
Keyword:
Rituximab
,
Anemia, Hemolytic, Autoimmune
,
Drug Therapy, Combination
,
Infection
,
Neutropenia
,
Pneumonia, Mycoplasma
,
Plasma Exchange
,
Multicenter Studies as Topic
,
Fludarabine
pp.271-274
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013260824
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
冷式抗体による自己免疫性溶血性貧血には,高齢者に多い寒冷凝集素症と主に小児の疾患である発作性寒冷血色素尿症の2つがある.いずれの病型でも寒冷曝露の回避と保温が重要である.感染後の寒冷凝集素症では,ほとんど溶血はみられず,抗体は2~3ヵ月後には消失するので,重篤でない限りは経過観察のみでよい.慢性寒冷凝集素症では,貧血は軽度から中等度であることが多く,寒冷曝露の回避と保温以外に治療を要することは少ない.病状が重篤である場合にはrituximab投与を検討する.fludarabineとrituximabの併用療法は現在,寒冷凝集素症にもっとも効果がある治療法であるが,毒性をよく考慮して適応は慎重に検討するべきである.
©Nankodo Co., Ltd., 2013