Japanese
English
特集 睡眠呼吸障害
睡眠呼吸障害の診断
Diagnosis of sleep related breathing disorders
北川 駿介
1
,
大谷 信夫
1
Shunsuke Kitagawa
1
,
Nobuo Ohya
1
1金沢医科大学吸器内科
1Division of Respiratory Diseases, Department of Internal Medicine, Kanazawa Medical University
pp.33-37
発行日 1989年1月15日
Published Date 1989/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205397
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はじめに
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は,最近新聞,テレビなどのマスメディアにしばしば報道され,いびきや夜間の呼吸困難を主訴として来院する患者も増えている。本邦においては精神科領域では比較的早くから注目され,業績も多いが,内科・呼吸器科領域での研究は比較的最近のことであり,必ずしも一般臨床家に広く知られた病態とは言えない。また睡眠が各種呼吸器疾患や神経・筋疾患,循環器疾患に及ぼす影響についても検索されてきており,睡眠という極めて生理的で本来は安らかであるべき現象が,生体に危険を及ぼす二とが次第に明らかとなりつつある。本稿では睡眠呼吸障害のうちSASの診断法を中心として述べる。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われた場合には睡眠ポリグラフィ(polysomnography:PSG)によって確定診断されるが,その施行には設備,人的条件が整う必要がある。PSGを行う前に,まずいかなる臨床症状,身体所見,検査所見を有する患者でその存在を疑うかが重要である。
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