Japanese
English
研究
Valsalva法による潜在的早期興奮症候群(Latent WPW Syndrome)の診断
Latent WPW syndrome diagnosed in Valsalva's method
常 振華
1
Chang Zhn-hua
1
1太原鉄道病院
1Taiyuan Railway Hospital
pp.873-874
発行日 1988年8月15日
Published Date 1988/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205308
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本稿はValsalva法によるLatent WPW Syndrome三例の診断が行われたことを報告する。Valsalva法によって迷走神経を刺激するとき,心房心室間の副伝導路に与える抑制作用が遙かに房室結節のこれに及ばないので,洞結節からの興奮が心房心室間の副伝導路に沿って伝わるのに好都合になる。それでWPW心電図のあらわれも一時的に可能になるわけである。これは簡単で有効,かつ無損傷的なLatent WPW Syndromeの診断方法だと考えられる。
周知のごとく,WPW症候群は発作性卜室頻拍をくり返して高頻度に発作をお乙す重要な原因の一つである。ところが臨床的には部分の潜在性WPW患者(LatentWPWS yndrome患者)があり,ノーマルな心電図検査ではなんらWPWの特徴はなく,診断するのに困難な場合が多い1)。こういう例は確かに存在する。その上,WPW症候群で上室頻拍を有するものの治療にあたっては特殊的なものがあるのでこういう患者の確実な診断は重要な意義を持つものである。このゆえにこの疾患に対し,一部の学者の注目を集めている2〜5)。1982年にGallgheは35例の上室頻拍患者に対し,食道誘導心電図用電極で心調律検査を行うとき,る例のLatent WPWSyndrome患者を発現されたという。ここに,著者は20例の上室頻拍患者に対し,Valsalva法によって,三例のLatent WPW Syndromeを診断し得た。今,その結果を報告する。
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