Japanese
English
装置と方法
RIによる粘液線毛クリアランス—定量的解析
Mucociliary clearance mechanisms studied by radioisotopic methods:A quantiative analysis
井沢 豊春
1
,
手島 建夫
1
,
平野 富男
1
,
蝦名 昭男
1
,
今野 淳
1
Toyoharu Isawa
1
,
Takeo Teshima
1
,
Tomio Hirano
1
,
Akio Ebina
1
,
Kiyoshi Konno
1
1東北大学抗酸菌病研究所内科
1Dept. of Internal Medicille, The Research Institute for Chest Diseases and Cancer, Tohoku University
pp.753-758
発行日 1985年6月15日
Published Date 1985/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204687
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肺は気道を介して直接外界と交通するので,外界から塵あい,細菌,ヒュームなど数多くの物質が肺内に吸入される。また気道内では,たえず粘液が分泌されている。仮にこれらが運搬浄化されずに肺内に蓄積されるようなことがあっては,我々は常に疾病の危険にさらされ,肺は吸入物質と粘液で充満されるにちがいない。このような事態が避けられ,気道が常に開通した状態に保たれているのは,気道粘液線毛輸送系(mucociliary clearancemechanisms)が気道に具備されているからにほかならない。有害物質を肺から運搬浄化して生体を防御する重要な1つの機構がほかならぬ気道粘液線毛輸送系である。
粘液線毛輸送系のモデルがLucasとDouglasによって提唱されたのが1934年である1)。彼らは鼻粘膜上皮線毛の上を2層の粘液層が覆い,その内側のpericiliarylayer中の線毛が活発に振動する(vibrate)ことによって,外側の粘液層を移動させると考えた。
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