Japanese
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解説
低浸透圧造影剤
Low osmolar contrast inedium
姜 栄樹
1
,
平松 京一
1
Eiki Kyo
1
,
Kyoichi Hiramatsu
1
1慶応大学医学部放射線診断部
1Department of Diagnostic Radiology,Keio University Hospital
pp.515-524
発行日 1985年4月15日
Published Date 1985/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204651
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画像診断における血管造影法の重要性は,今更言うまでもなく,US,CTが導入されてもなおかつ,最終過程において必要欠くべからざる検査といえる。近年の血管造影法はきわめて多彩であり,診断のみならず治療領域へと進歩している。この血管造影法の進歩は,装置・器具・造影技術の進歩に加えて,優れた造影剤の進歩によるところがきわめて大きい。
現在一般に用いられている血管造影剤は,1950年〜1960年代に開発されたtri-iodobenzoic acid誘導体で,sodium塩やmeglumine塩のイオン性造影剤である。これらは,それ以前の有機ヨード造影剤に比較すればきわめて優れたものではあるが,重篤な副作用が全く無いわけではない。すなわち,これらのtri-iodobenzoic acid系造影剤の最大の欠点は,生物学的活性がかなり大きいことと,造影剤の浸透圧が人血漿浸透圧の5〜8倍ときわめて高いことで,最近これら2点が造影剤の種々の副作用の主な要因と考えられている。さらに,血管造影法に加えて,CT,DSAが導入され,より精度の高い情報をより多く求めるために.造影剤の用量・用法も多様化しており,より安全性の高い造影剤が要望されるに至っている。
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