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振動工具たとえばチェンソー,削岩機,チッピングハンマー等を使用している作業者に発症する振動病は手指に蒼白発作がみられることから,別名白ロウ病ともいわれている。二塚ら1)によれば本疾患は振動工具(チェンソー)を使用し始めて2〜3年後に発症し,その使用年数とともに発生率ならびに症状も重くなるという。臨床症状としてはレイノー現象の他に,四肢のしびれ,痛み,冷感等の末梢の神経ならびに循環機能や運動機能の障害がみられ,他に頭重,睡眠障害,手掌発汗,易疲労感等の中枢神経機能および骨関節系機能にも障害がみられる。したがって振動病患者では末梢循環機能障害がみられることを考えれば,指血行動態たとえば指動脈径や指血流量は健常者に比べて当然差異があるものと推定される。それ故著者らはこの点について調べた。すなわち入院前における振動病患者11名の指動脈径値を計測し,既報の健常者の値と比較した。さらに同患者が入院治療1ヵ月を経過した時点において指動脈径値に変化がみられるか否かについても調べた。
The authors measured the several quantities concerning the hemodynamics of the finger in patients with vibration disease.
The results obtained were as follows : Both the values of Maximum increment of volume per unit length (α) and of pulse wave velocity (c) in digital arteries of patients were smaller than the values of normal subjects and values of Inflow-Outflow time ratio (n) was larger than the normal ones. Radius of digital arteries were also smaller in 23.8%.
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