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特集 カテコールアミン研究最近の進歩
難治性うっ血性心不全に対するプロスタサイクリン(PGI2)療法とその交感神経機能に与える影響
PGI2 therapy in congcstive heart failure and its effects on the sympathetic nervous activity
由井 芳樹
1
,
中島 久宜
1
,
若林 章
1
,
河合 忠一
1
Yoshiki Yui
1
,
Hisanobu Nakajima
1
,
Akira Wakabayashi
1
,
Chuichi Kawai
1
1京都大学医学部第3内科
13rd Dept. of Int. Med., Kyoto Univ.
pp.59-61
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204153
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現在,従来の強心剤,利尿剤に加えて重症心不全の治療に減負荷療法が用いられており,急性効果については評価も確立している1)。ナイトロプルサイド(Nitropru—sside,NP)は前負荷および,後負荷軽減作用をもつために急性心不全の治療に最もよく使用される代表的薬剤であるが,長期NP使用時にthiocyanateの毒性により中枢神経障害,肝障害が問題になってくる2)ことからNPに代わる強力な血管拡張剤が求められているのが現状である。
近年発見された強力な生理活性物質であるプロスタサイクリン(Prostacyclin, PGI2)は強力な血管拡張作用と血小板凝集抑制効果をもつプロスタグランディン(Pro—staglandin, PG)の一種であり3〜5),心臓血管系病変の病態生理,治療との関係で広く検討がきれている物質である6〜8)。本研究では,PGI2のもつ強力な血管拡張作用,抗血小板凝集作用および本来NPと異なり生体内に存在する生理活性物質である事に注目して,利尿剤,強心剤に不応の虚血性心疾患由来の重症心不全9例にPGI2による末梢血管拡張療法を施行,血行動態的,臨床的に心不全の改善をみた。更に本療法の交感神経系に与える影響についても検討を加えた。
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