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血管拡張療法がうっ血性心不全患者の交感神経系に与える影響をnitroprusside (NP)とprazosin (PZ)を用いて検討した。平均肺動脈楔入圧(PWP)をNPまたはPZにより約15mmHgにまで下げ,そのときの血行動態をSwan-Ganzカシーターで,血中norepinephrine(NE)値を高速液体クロマトグラフィ法で測定した。両薬剤共PWPの低下(NP;28±6から15±2mmHg,p<0.001,PZ;24±7から18±6〔1hr,p<0.001〕,14±6〔2hr,p<0.001〕,14±6〔3hr,p<0.001〕)と全身血管抵抗(TSR)の減少(NP;2,385±698から1,540±319 dynes.sec.cm−5,p<0.001,PZ;2,152±574から1,648±459〔1hr,p<0.025〕,1,503±389〔2hr,p<0.005〕,1,616±461〔3h,p<0.05〕)をもたらし心係数(CI)は増加した。(NP;1.9±0.4から2.6±0.4l/min/m2, p<0.001,PZ;2.2±0.7から2.5±0.6〔1hr,p<0.05〕,2.6±0.8〔2hr,P<0.01〕,2.6±0.9〔3hr,p<0.01〕)。そしてこれら血管拡張療法による血行動態の変化には血中NEの上昇を伴った。(NP;422±84から850±±197Pg/ml,p<0.001 PZ;384±141から450±121〔1hr,p<0.001〕,580±161〔2hr,p<0.001〕, 504±98 〔3hr,p<0.001〕)。この事実はすでに交感神経系が緊張状態にある心不全患者において血管拡張剤は交感神経系の緊張をさらに亢進することを示唆している。
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