特集 循環機能の正常値
腎循環動態
本田 西男
1
1浜松医科大学第1内科
pp.729-731
発行日 1982年7月15日
Published Date 1982/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204043
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I.腎の血管構築と血管容量
腹部大動脈から分れ,腎内に入った腎動脈は分枝した後,順次葉間動脈,弓状動脈,小葉間動脈,輸入細動脈,糸球体毛細血管,輸出細動脈,尿細管周囲毛細血管となり静脈系に移行す(図1)。特に傍髄質糸球体の輸出細動脈から分れた血管の一部は尿細管周囲毛細血管,他は直血管となる。直血管はHenle係蹄や集合管と並行して束をなして乳頭先端に向かって下行し,種々の高さで毛細血管網を介して上行し弓状静脈または小葉間静脈にそそぐ1)。
血管容量は皮質で大きく,髄質内層で小さいが,腎組織100gあたりでは皮質と髄質であまり差がなく組織量の約1/5に相当する(表2)2)。髄質の直血管上行脚の容量は髄質全血管容量の約60%で,下行脚容量より大きい。
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