CTによる左室機能診断—左室造影法との対比

Evaluation of Left Ventricular Function by Cardiac CT:Comparison with Left Ventriculography

　左室機能を検討するためのparameterは，すでに古典的な価値を持つものから現在論争中のものまで数多く提唱され，また左室造影法（以下LVG）によるそれらのparameter算出は，方法としてはある程度確立した評価を得ている。これに対しCTの心臓領域への応用は他の領域に比べれば遅れており，特に心機能評価の面ではECG-gated scan, rapid sequential scanの開発とともにようやく始まった状態である^1,2,3,4,5）。我々は約150例の成人各種心疾患を対象にGE社CT／T X₂　8800 scannerを用いて心CT検査を行ない，左室機能評価のための数種のparameter算出を試みたが，これを主としてLVGからの結果と対比し心CT検査の有用性と問題点を検討した^6）。なお左室の局所心機能評価については今回はふれない^7）。