Japanese
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特集 微小循環の臓器特異性
皮膚微小循環動態の特異性
Characteristic Behavior of Cutaneous Microcirculation
浅野 牧茂
1
Makishige Asano
1
1国立公衆衛生院生理衛生学部
1The Institute of Public Health
pp.371-379
発行日 1980年4月15日
Published Date 1980/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203548
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皮膚は身体全体を包被しているだけの存在ではなく,外界に直接曝露している広大な臓器であって,外因性の物理的,化学的あるいは生物学的な刺激,さらに内因性の諸刺激により,部分的あるいは全体的に一定の反応を示す。皮膚微小循環系は皮膚自体への酸素と栄養の供給ならびに熱の放散という2つの重要な生理的役割を有するが,皮膚自体の酸素需要が小さいのでその微小循環系血流量の変動は主として体温調節に関係する。
皮膚は麻酔や外科的処置を要せずに体外から微小循環の生体顕微鏡的観察が可能な身体部位であり,皮膚科学的病態のみならず様々な全身性あるいは局所性の,常態生理的および病態生理的微小循環動態をうかがい見ることのできる,生体のモニターとなる。
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