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特集 心筋の電気生理
心筋のvoltage clamp法
Voltage clamp technique in cardiac muscle
大地 陸男
1
Rikuo Ochi
1
1順天堂大学第2生理学
12nd Dept. of Physiology, Juntendo Univ.
pp.975-980
発行日 1978年10月15日
Published Date 1978/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203260
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心筋の電気生理にvoltage clamp (膜電位固定)が導入されてすでに15年を越えようとしている。この間にこの方法で獲得された膜電流に関する情報はきわめて豊富である1,2)。今日,心臓の興奮現象として想起されるのは微小電極で記録される心筋特有の活動電位波形にとどまらない。目に浮かぶのは,膜のNaチャンネル,Caチャンネル,Kチャンネルが次々と開閉し,Na,Ca,Kイオンが荷電をもって通過する様子である。アセチルコリンやアドレナリンによってイオンがチャンネルを通るときの通り易さが変化するのさえ目に見えるようである。
心筋のvoltage clampについては,結果の評価に参考となる方法の総説も少くない1〜6)。本稿では,voltage clampの本来の重要性を再認識するために出発点に戻ってその原理を述べ,心筋での方法を検討し,いくつかの主要な成果を概観したい。
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