Bedside Teaching
低血圧麻酔—とくにSodium nitroprussideについて
田中 亮
1
,
野見山 延
1
,
村上 雅子
1
Ryo Tanaka
1
,
Susumu Nomiyama
1
,
Masako Murakami
1
1北里大学医学部麻酔科
1Department of Anesthesiology, Kitasato University School of Medicine
pp.251-256
発行日 1978年3月15日
Published Date 1978/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203174
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低血圧麻酔の主目的は手術中の出血量を少なくするために,血圧を人為的に低くする麻酔法である。英語名では induced hypotension, controlled hypotension, deliberate hypotensionなどが同義的に用いられている。低血圧麻酔の方法や薬物などはすべて偶然の発見であるといわれているが,人為的低血圧法は,麻酔中の異常事態としての血圧下降と本質的に異なることが特徴である。低血圧麻酔の興味の中心は低血圧時の循環,代謝,および,低血圧薬の薬理作用である。最近は低血圧麻酔の本態が究明されるに従って,使用する低血圧薬も改善され,低血圧麻酔の概念も変りつつある。本稿では,低血圧麻酔の臨床を理解するために,一般的方法を解説し最近の話題となっているsodium nitroprussideについて筆者の研究成績をあわせて紹介する。
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