Japanese
English
Bedside Teaching
上腹部手術と呼吸機能
Upper Abdominal Surgery and Respiratory Functions
本多 英邦
1
,
水野 武郎
1
,
永井 良治
1
Hidekuni Honda
1
,
Takeo Mizuno
1
,
Ryoji Nagai
1
1名古屋市立大学医学部第2外科
12nd Department of Surgery, Nagoya City University Medical School
pp.1051-1058
発行日 1976年12月15日
Published Date 1976/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202991
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最近術前術中術後の輸液管理,抗生物質,麻酔の発達により大規模な手術も比較的安全に行いうるようになった。しかし,poor rlsk患者,高齢者患者の積極的手術と相俟って術後肺合併症は依然として頻度が高く,死亡率は最大で,特に注意を払わねばならない合併症である。術後肺合併症については古く1911年Pasteur1)はPostoperative Complicationとして総括的に考察し,横隔膜運動が反射的に抑制されるために生じた下肺野のdeflationが肺炎発生の原因であろうと推論している。また45年以上前Muller2)は上腹部手術後には胸廓の拡がり方は術前の79%に減じ,横隔膜の動きは術前の66%に制限されること, Churchill3)は肺活量は術前値の25〜50%に減少することを夫々報告している。最近でも術前の肺機能と術後合併症について多くの研究があり4〜15),更に肺の病態生理学的研究は換気,血流両面より把握するようになり,換気機能と併せ,血液ガス分析,死腔換気量/1回換陳量比(VP/VT),肺胞気—動脈血酸素較差(AaDO2),シャント等を測定し,特に老人では肺の生理的変化も考慮の上,総合的に肺機能検査を行うことが重要となって来た16〜19)。
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