臨床生理検査と技術 Ⅳ 超音波検査
[8]超音波断層法
2 臓器別走査部位と記録画像
① 上腹部
丹生谷 徹
1
1春日部市立病院検査科
pp.505-517
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204089
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はじめに
上腹部領域における超音波検査は,X線CTなど他の放射線学的診断法とともに欠くことのできない検査である.なぜ超音波検査がこのように普及したのであろうか.理由をいくつか挙げてみよう.
(1)肝臓,胆道系,膵臓,腎臓,脾臓などの軟部組織は骨や空気を含まないため,超音波に適した臓器であること.(2)無侵襲で,苦痛も伴わず安全に行えるため繰り返し検査が実施できること.(3)診断装置の開発が進歩し,分解能が格段によくなったこと.(4)電子スキャンの出現により操作性が容易になり,臓器の断面像が連続的にリアルタイムに観察することができるようになったこと.
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