Japanese
English
Bedside Teaching
心房粘液腫
Myxoma of the Atrium
谷口 興一
1
Koichi Taniguchi
1
1東京医科歯科大学第二内科学教室
1The 2nd Department of Internal Medicine, Tokyo Medical and Dental University
pp.353-361
発行日 1973年4月15日
Published Date 1973/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202485
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粘液腫は極めてまれな心腔内良性腫瘍で3914例の病理解剖においても,わずか1例見られたに過ぎず,1965年までの報告では350例足らずである。しかしながら,心臓原発性腫瘍の中では最も多く,その50%を占めている。本症の発生部位は左房が最も多く75%占め,残りの大部分は右房であり3),心室内発生は極めてまれである。年齢については小児はまれであり,その報告は3ヵ月の乳児から83歳の老齢者にわたっているが,30〜60歳代が圧倒的に多いといわれる。術前の臨床診断に成功した最初の例は1951年angiographyによる診断5)であり,最初の手術成功例は1955年である。心臓造影法の普及により心脇内の形態を観察できるようになり,心房粘液腫の臨床診断に必須の王座を占めるようになった。しかしながら,最近ultrasoundcardiogram (UCG)の進歩により,診断の有力な手段として諸家の注目をあびている。本稿においては,者者の症例をあげ,心房粘液腫の臨床診断を中心にまとめることにする。
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