特集 呼吸機能検査体系化への提案
座談会
これからの臨床呼吸機能検査
大久保 隆男
1
,
太田 保世
2
,
杉山 吉彦
3
,
高橋 隆
4
,
藤本 淳
5
,
笹本 浩
6
1秋田大・第二内科
2慶応義塾大・内科
3日本光電・開発部
4大阪成人病センター・医用工学開発室
5大阪成人病センター・呼吸器科
6慶応義塾大・内科
pp.40-56
発行日 1973年1月15日
Published Date 1973/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202455
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笹本(司会) 本号の特集は呼吸機能検査体系化への提案ということになっておりますので,それに関連してこれからの臨床呼吸機能検査という題の座談会を始めます。
ねらいは呼吸機能検査のシステム化ということに重点を置いていただきたいけれども,最初に総論的なお話をしていただくことになると思います。呼吸機能検査を中心とした呼吸器疾患診断のシステム化は今後1,2年間に非常に急速な進歩するだろうと思います。その理由としては第一が大気汚染,人口の老齢化などによっていわゆる閉塞性肺疾患患者が増加するであろうということ。第二は疫学調査,health screening, health care systemなどにおける大量の情報を効率的に処理するということが社会的な要請として高まってくるであろうこと。第三は少し思いきっていえば,呼吸機能検査が主として物理的な測定であって,情報源としては電気量でサンプルするものが大部分であるということ。第四は検査後の情報処理として比較的単純な代数的計算が多いということ。第五は検査後の処理に時間を要するということ。第六は呼吸機能検査の情報から呼吸器疾患診断に至るまでのlogicがほかの分野に比べて,比較的体系化されておると思われること。第七はミニ・コンピューターの需要が頭打ちとなって,各社とも医学分野に進歩を試み,特にソフトを組み込んだ販売方式を重要視しておること。
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