巻頭言
心筋生検法とその限界
今野 草二
1
1東京女子医科大学第一外科学教室
pp.731
発行日 1972年9月15日
Published Date 1972/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202408
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19世紀から20世紀のはじめにかけて,まだ心電計が一般化していなかった頃は冠不全やそれに伴なう心筋障害を臨床的に診断することができなかったので当時の診断技術を駆使してなお説明のつかない心疾患や急性心臓死はすべて心筋疾患(cardiomyopathy)という漠然とした診断名で一括されていた。
1930年代に入り心電図の知識が広くゆきわたるようになると,冠疾患の臨床診断が比較的容易になり冠疾患が"心筋疾患"から区別されはじめた。
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