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特集 急性心筋炎をめぐる最近の話題
心筋炎における心筋生検の意義
The Significance of Endomyocardial Biopsy in Myocarditis
池田 善彦
1
Yoshihiko Ikeda
1
1国立循環器病研究センター病理部臨床病理科
1Department of Pathology, National Cerebral and Cardiovascular Center
pp.219-223
発行日 2015年3月15日
Published Date 2015/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205657
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はじめに
心筋生検(心内膜心筋生検)は原因不明の心不全に対する診断過程の一環として行われ,心筋組織は心臓カテーテル検査時にバイオトームとよばれる小さな生検鉗子を用いて,右室であれば心尖部中隔壁から採取される.組織学的に心筋細胞の肥大や変性,間質の線維化の程度なども評価されるが,生検組織は2〜3mm角と小さいため,病理組織診断の意義は主に質的診断であるといえる.特にびまん性病変を呈する急性心筋炎では,後述の如く偽陰性率が低く,また,心筋炎の種類によっては,好酸球性心内膜心筋炎や巨細胞性心筋炎などステロイドや免疫抑制剤が奏功する特異性炎が存在するため,心筋生検の迅速な診断的意義は大きい.したがって,本稿では,前半に急性心筋炎が疑われた場合の実務的な工程と鑑別疾患について述べ,後半に当センターで経験した種々の急性および慢性心筋炎の特徴を中心に述べたい.
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