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はじめに
第1報1)で述べたように,著者らはラットの腸間膜における正常な微小循環系を高速度映画撮影により観察し,直径40μ以下の細動脈,前毛細血管,真性毛細血管,および直径41μ以下の細静脈の赤血球速度を測定するとともに,細動脈はいうにおよばず,前毛細血管や真性毛細血管に至るまでラットの心拍数に一致する脈動流の存在することを確認し,さらに,毛細血管内を流れる赤血球の形態変化について観察して,高速度映画撮影による観察が微小循環系に惹起される現象を正確に把握する上に如何に有用であるかを痛感した。しかしながら,漏出性出血についての生体観察は,従来肉眼的観察と普通速度の映画撮影による観察がほとんどで,高速度映画撮影による観察は砂田ら2)の報告があるのみで,漏出性出血の実態は充分把握されていない。
そこで,著者ら3)は漏出性出血の機序を解明する足がかりとして,漏出性出血の動態を適確に把握するために高速度映画撮影による観察を行ない,従来の観察方法では全く捕えることができなかった現象を把握することができたので述べてみたい。
Erythrocyte diapedesis in the microcirculatory system of the mesenteries of male rats were pro-duced by intravenous administration of hyaluro-nidase and observed through the application of high speed cinematography.
A Leitz Orthoplan microscope was used. The light source was a Osram's 150 watt xenon lamp with appropriate heat filters. Observations were made with a X 10 ocular and a X 40 or X 90 water immersion objective. For the high speed camera a Milliken DBM-5D was used. The fram-ing rate was 500 per second and the exposure time was 1/10,000 second or 1/24,000 second.
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