巻頭言
Microcirculationと体外循環法
橋本 勇
1
1京都府立医科大学第2外科学教室
pp.87
発行日 1969年2月15日
Published Date 1969/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201988
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循環という言葉は,一般的に,心,血管,血液で構成される,閉鎖循環系という概念に通じやすいが,循環系究極の目的は,循環系と組織間での,運搬物質の交流であることを考えた場合には,この単純な概念のみでは,何一つ理解することはできない。すなわち,今日では,これら要因については,血液という考えは,組織液をも含めて,体液という概念にまで発展させなければならないし,その体液にしても,細胞外に存在する水分ばかりでなく,細胞内液をも含めて考えるべきであろう。
一方,血管系についても,同様のことがいえるわけで,心,大血管から小血管を包含することは当然にしても,さらに顕微鏡的血管である,細動脈,毛細血管,細静脈,そのほかに,毛細リンパ管を含めてのリンパ管系など,いわゆる脈管系と総称されるもの全体を含めての概念で,論議されなければならない。
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