Japanese
English
診療指針
眼底所見の解釈について
Interpretation of Signs in Fundus Oculi.
原 清
1
Kiyoshi Hara
1
1大阪府立成人病センター
1Center for Adult Diseases, Osaka.
pp.785-789
発行日 1965年10月15日
Published Date 1965/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201502
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はじめに
諸種の系統疾患において,限底所見がその診療に対して重要な指針となることが稀でない。眼部に変化が存在するのみで診断価値がある例としては,サルコイドーシス,ベーチェット氏病,うっ血乳頭などがある。一方,高血圧や糖尿病においては,眼底病変の有無のみでなく,その病変の種類・程度や組合せの検討により,さらに進んでこれら慢性疾患の病態や病期を把握しようとする試みが盛んであり,近頃重要課題として追求されている。ことに最近急速に進歩した眼底カメラの開発や優秀な散瞳薬の登場が,方法的に眼底をみることを非常に容易にし,広く眼底変化を公開してその臨床的意義が検討されている現状である。ここにおいて,眼底所見の診断法や読みが旧態のままに留ってよい筈がないのであり,目下大いに改善されつつあるところである。
以下,高血圧,細動脈硬化を主とする循環器系疾患における眼底変化について,その読み方を中心に述べてみたい。
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