Japanese
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特集 肺性脳症
肺性脳症の発生病理—いわゆる呼吸中枢の感受性および被刺激性の観点から
Studies on Pathogenesis of Pulmonary Encephalopathy:with special reference to the "sensitivity" and the "irritability" of respiratory center
森山 勝利
1
,
板垣 省三
1
Katsutoshi Moriyama
1
,
Shozo Itagaki
1
1山口大学医学部三瀬内科
1Dept. of Med., Yamaguchi University School of Med.
pp.647-653
発行日 1964年9月15日
Published Date 1964/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201360
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はじめに
肺の構造的或いは機能的病態によつて惹起される脳神経症状を,広義に肺性脳症と称するとすれば,alveolar hyperventilation(肺胞過換気),alveolar capillary block(肺胞—毛細管ブロック),alveolar hypoventilation(肺胞低換気)等の患者で,もし脳神経症状を呈すれば,全てこれに包含されうる。
このうち,alveolar capillary blockを呈するものは,酸素拡散障害が主として現われ,炭酸ガスはむしろ減少の傾向にあり,alveolar hyper—ventilationの範疇に入れうるものが多い1)。而して,酸素拡散障害によるanoxemiaが高度であるときは,脳神経組織のanoxiaも高度となり,脳神経症状を呈するに至る要因をなす可能性が考えられよう。
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