Japanese
English
文献抄録
カリウム反応性アルカローシスを合併した肺不全及び過炭酸血症—Robert, T. Cochgran Jr. :New Eng. J. Med.,268:521, 1963.,他
Pulmonary insufficiency and hypercapnia complicated by potassium-responsive alkalosis
伊達
1
1慶大内科
pp.127
発行日 1964年2月15日
Published Date 1964/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201292
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
テキサス大学にて,Systemic al—kalosisを合併した重症慢性肺不全及び過炭酸血症の2例を経験し,且つ2例とも,大量のカリウム塩投与によりアルカローシスが是正され,この間,強度のカリウムのPositive balanceを来したことから,K喪失がアルカローシスの原因に関与したものと考えられた。2症例とも,臨床的に,肺性心となつた慢性閉塞性肺気腫と診断され,ジギタリス,抗生物質,IPPBによるO2の陽圧呼吸等の治療を受け,臨床所見の改善がみられたが,K塩投与が行われるまでは,浮腫の減退はなかつた。
更にカリウム喪失によるアルカローシスの原因が考察され,このような肺不全患者に対する影響として,呼吸中枢の抑制,即ち低換気による代謝性アンドーシスの呼吸代償による悪影響,酸化ヘモグロビン解離曲線の左方移動による組織低酸素症の悪化,更にカリウム喪失に伴うナトリウム蓄積が,肺不全を一層悪化せしめることを述べている。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.