副肺，水腎，皮膚角化異常などの先天性奇形を伴つた先天性特発性巨大心で，剖検により心内膜筋層に線維弾性症のみられた1例（その2）

A case of congenital idiopathic cardiomegaly (autopsy findings showed fibroelastosis of endomyocardium) in association with accessory lung, hydronephrosis and hyperkeratosis. (2)

III．剖検所見

　1．副肺：左胸腔第10胸椎の左側約2cmのところに拇指頭大の副肺（第9図）が認められた。形は紡錘形で表面平滑，中央で二葉に分かれそこから細い約1cmの柄で体壁胸膜に連絡しポリープ状に胸腔内に垂下していた。固有肺および気管支とは全く連絡がなく，動脈は胸部大動脈に，静脈は半奇静脈に連つていた。組織学的には新産児無呼吸に近い肺組織を示していた。

　2．固有肺：著変なし。