われわれの研究室
九大胸部疾患研究所
長野 準
pp.292
発行日 1961年4月15日
Published Date 1961/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200974
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昭和27年夏,福岡市の西郊生の松原に結核研究所が創設されて8年,昨春は発展的にその名も九大胸部疾患研究所となつた。所長貝田勝美教授の20年来の一貫した結核の研究も,いよいよそれを基礎として胸部の隣接領域の研究へその分野を拡げたのである。保有ベツドは170床余りで,その半数は財団経営に委ねておる。貝田所長の下には臨床細菌学で一貫して来られた杉山助教授が副所長として補佐され,結核の免疫,薬剤耐性について臨床と基礎的研究の指導をして居り,又臨床病理学方面で田中助教授が肺癌,珪肺結核等の臨床と研究を指導し,目下ボストンに肺動脉高圧症の研究で滞在している。胸部外科方面は井上講師が今日までの肺外科を指導してきたが,目下在独中で此の4月の帰学が予定されておる。
心臓外科は太田が担当しており,その症例も段々増加しつつあるが,目下デユツセルドルフのデラ教授の下で勉強している。又心肺機能方面は長野が基礎的な換気面,心機能等の基礎的研究,臨床を担当して居り,目下比の面で岸川がフアーバー教授の下に肺気腫の研究で留学しておる。
胸部疾患ともなると臨床も多種多様で全九州,四国,中国方面より肺癌,心臓病患者が外来にあつまり,かつての全病床,結核であつたのが約半数は此れで埋つて居る。
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