特集 冠硬化
巻頭言
冠硬化症における副行循環とその意義
中村 隆
1
1東北大学
pp.3
発行日 1959年1月15日
Published Date 1959/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200710
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冠硬化があると冠動脈に狭窄を生じ流血量は減少するが,その減少度が高度になり,心筋の需要量をみたしえなくなると冠不全を来たす。また冠硬化のため冠閉塞が起ると閉塞された分枝の潅流域の心筋に梗塞を生ずる。
ところが冠硬化症の剖検例には必ずしもこの原則に従わないものがある。例えばLibman,Friedberg, Gross, Büchner, Dietrich & Schwieg, Master, Blumgart & Schlesinger, Harrison, Muriらによつて示されたように冠狭窄が冠不全所見を呈せず,冠閉塞が梗塞を伴わないことがあり,一方冠閉塞がないのに梗塞の存在する場合もある。
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