巻頭言
国際胸部医学会の事など
桂 重次
1
1東北大学
pp.989
発行日 1958年12月15日
Published Date 1958/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200700
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昨年20年振りで欧米を視察し二,三の国際学会に出席する機会を得た。本年は更に東京に開催された国際胸部医学会に出席し,最近は日本胸部外科学会を会長として主催していろいろと感ずる事がある。
外科にとつてこの20年間非常に進歩をとげた領域は麻酔及び胸部外科であろう。20年以前には心臓が楽に手術の対象となる等は考えられない所であつた。又アメリカに於て独立発達した麻酔によつて我々は長時間開胸し,胸腔内の臓器の手術を施行し得る。この様な輝かしい臨床方面の進歩発達は呼吸循環の病態生理の探究に負う所が多いのである。この意味で今後も呼吸循環の深い研究が行われる必要がある。
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