Japanese
English
文献抄録
肺気腫患者の怒責(バルサルバ法)に対する反応—Mills, H. and Kattus, A. A. Circulation 17;65, 1958
The Emphysema Response to Forced Straining (Valsalva's Maneuver)
太田 昭夫
1
1東大上田内科
pp.552
発行日 1958年7月15日
Published Date 1958/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200650
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
Valsalva法は僧帽弁狭窄,欝血性心不全の循環異常解明の一つの手段として用いられてきたが,著者等は29例の肺気腫患者に本法を施行し,健常および心疾患者との間に動脈圧変動に差違のあることを認めた。本法による健常者についての動脈圧変動をHamiltonはStaining初期の収縮期,拡張期圧の上昇をI相,Staining持続により漸次起る両期の圧低下,脈圧減少をII相,Sta—ining中止後みられる,2, 3搏動の著明な圧低下をIII相,それに引続いて起る対照期のそれを越える血圧,脈圧の上昇,遅脈をIV相とした。僧帽弁狭窄,欝血性心不全ではII相における収縮期圧の低下が起らず,またIV相の血圧のOvershootおよび遅脈を欠くとされている。
著者等は健常9例,肺気腫29例,種々の心疾患80例について持続10秒口腔内圧の上昇30乃至40mmHgのValsalva法を行い,肺気腫例については引続き肺機能,心搏出量および肺血液量の測定をした。2つの特徴的な反応,すなわちStraining末期の脈圧の著減および対照期の収縮期圧に戻るに要する時間の著明な延長が肺気腫例に見られた。また心係数が2.5l/M2以上のものでは23例中17例にⅣ相のOvershootが存在したのに対し,それ以下の6例では1例でのみ認められた。
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.