Japanese
English
症例
長期アルコール内保存血管移植の一経験例
A Case of Successful Homograft, Using Artery Preserved in Alcohol for a Long Period
砂田 輝武
1
,
田口 一美
1
,
松岡 潔
1
,
高木 彬
1
,
向畑 十四郎
2
Terutake Sunada
1
,
Kazumi Taguchi
1
,
Kiyoshi Matsuoka
1
,
Shigeru Takaki
1
,
Jyūshirō Mukōhata
2
1岡山大学医学部津田外科教室
2島根県雲南共存病院
1The Department of Surgery, Okayama University Medical School
2Unnan-Kyōson Hospital, Shimane Prefecture
pp.313-316
発行日 1957年4月15日
Published Date 1957/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200493
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緒 言
実際的な臨床的立場から考えて生存せる同種動脈移植は,その保存期間の問題から,また保存設備の問題から決して簡単に実施出来ない。とくに予定された動脈移植でない本症例のような偶発的な臨床的需要の場合には,いきおい長期保存の動脈移植が必要となつてくる。この目的に対し木本教授等のアルコール内保存動脈移植法は極めて有用なものである。吾々があえて本報告を行うのは,吾々の症例に使用した移植血管片が約1年の長期保存を行つたものであつて,しかも臨床的に成功を見,特にアルコール保存動脈片が血管銀行のような膨大な設備を必要とせず,随時必要に応じて取出し直ちに使用出来る点,極めて便利であると考えたからである。
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