Japanese
English
症例
Fallot四徴及び肺動脈狭窄症の病態生理
Pathologic Physiology of Tetralogy of Fallot and Pulmonal Stenosis.
浜田 和郎
1
,
横山 剛
1
,
松田 晃
1
,
大橋 敏之
1
Kazuo HAMADA
1
1慶応大学医学部内科教室
1Department of Internal Medicine, Kaio Universlty School of Medicine
pp.757-765
発行日 1956年10月15日
Published Date 1956/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200426
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緒 言
先天性心疾患は従来臨床的関心に乏しく,主として学問的興味の対称となっていたが,Forsman Cournand等による心臓カテーテル法(以下心カテと称す)の進歩と相俟つて1)−4),先天性心疾患に対する外科的療法の進歩は5)−9)一層本症の知見を発展させ,一般の関心もたかまって来た。肺動脈狭窄(以下肺狭と称す)はKeithが先天性心疾患272例中45%に認めているが10),肺狭を示す症例は多く他の先天性異常を伴うもので,殊に大動脈騎乗,高位心室中隔欠損,右心室肥大を伴うものはFallot四徴と云われ,又肺狭に卵円孔開存と右心室肥大とを伴うものはFallot三微とも云われ,Maude Abbottの報告によると,1000例の先天性心疾患の中40例の肺動脈閉塞を含む110例の肺狭を認め,この中Fallot四徴は85例,卵円孔開存を伴つたもの16例,純粋なもの9例であった11)。その他Bing12),Dexter13),Brock14)等の報告もあり,卵円孔開存を伴う肺狭はMaraist15),Selzer16)等の報告,純粋な肺狭についてはGreeneの68例に於ける詳細な分析17),或はDow18),Larsson19),Hyman20)等の報告が見られ,肺狭を示す先天性心疾患は今迄思われていた程少くないことが明らかになって来た。
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