Japanese
English
診療指針
経口水銀利尿剤
Oral mercurial diaretics
五島 雄一郎
1
Yuichiro GOTO
1
1慶大医学部内科
1Department of Internal Medicine Keio University School of Medicine
pp.541-246
発行日 1956年7月15日
Published Date 1956/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200391
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1.まえがき
利尿剤は古くから一般医家に愛用されており,心腎疾患其他浮腫発生時には不可欠な薬剤とされており,現在も昔からの古い薬剤が使用されているが,新しい利尿剤も茲々数年来いろいろ出現して来ている。
水銀利尿剤は,利尿剤の中でも最も強力なものであり,従来は主として注射用としてウツ血性心不全の治療には不可欠であり,静脈又は筋肉内投与に用いられて来た。本剤の利尿効果が非常に大であることは誰しも否定はしないがそれに伴つて起る各種の副作用の多いことが本剤の汎用に大きな障碍となつて来た。その後製剤の改良進歩によつて皮下にも使用出来る優秀な製剤が出現して来た。更に経口的には利尿剤としてではないが古くは甘汞が用いられたが胃腸障碍が強くて不適であつた。その後研究改良が重ねられ,今日では注射と殆んど変らぬ効果を示す製品も出現して来た。
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