Japanese
English
症例
肺側脚ブロツクを伴う右胸心の一例
Pulmonary bundle branch block in an isolated dextrocardia.--The first report of such a case.
島田 静也
1
,
西堀 直明
1
,
笠井 久司
1
S. SHIMADA
1
1新潟大学医学部桂内科教室
1Department of Internal Medicine, Niigata University School of Medicine
pp.393-396
発行日 1956年4月15日
Published Date 1956/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200364
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
まえがき
先天性心異常のうち,右胸心はそれほど珍らしくはない。右胸心には狭義の右胸心と,心の右方変位とがあり22)26),前者には他の内臓逆位を伴うものと,心のみの右胸心(isolated Dextrocardia)を含むが以下私達が単に右胸心というのは,狭義の右胸心のみを指すことゝする。右胸心だけでは機能的には何等異常がないとされている一方,右胸心には往々その他の心異常が伴い易いとも言われている。類推的に考えれば,正常位心に起り得る心異常乃至心疾患の悉くが,右胸心にも起りうることは当然想定出来るが,このような異常乃至疾患合併の存在の可能性は,必ず症例による最終的立証を必要とする。
右胸心に合併した心電図異常として報ぜられているものゝうち,私達が知り得たものは次のようである。即ち,1911年僧帽弁狭窄症(Owen17)),1923年完全心ブロツク(Myers14)),1926年心室性期外收縮(Potts & Ashman19)),1931年高血圧症でT1が陽性となつた例(Willius28)),同年Li—chtman11)は心房細動・完全房室ブロツク・室性調律を示した例を報告すると共に,文献から心のみの右胸心161例を集めている。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.