発行日 1955年11月15日
Published Date 1955/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200294
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呼吸と循環は人の生命に直接関する生理作用であつて片時も休むことなく続けられなければならないという特色がある。この意味で「呼吸と循環」という組合せは臨床家の興味を特別に引くのである。
生理学者の研究として哺乳動物の心臓と肺を組合せ,取り出して実験に給するStarlingのHeart-Lung Preparationが有名になつたのは三十年余前のことだが,その頃から臨床検査としては,人が肺から酸素を摂取する量を測つて,新陳代謝を推定することが盛に行われるようになつた。同時にエレクトロカルジオグラムを単なる研究のためでなく日常の診断検査に利用することも始まつた。ところが心電図は心臓内に興奮が伝播する模様を知らせるだけであつて,心臓の本業であるポンプ作用を測る臨床検査法が患者に行いがたいので困つて居た。1945年Cournandが心臓カテーテルを用いて患者の右心混合静脈血を採取して心臓から排出される血液量を測定する方法を敢行したのは劃期的な進歩であつた。
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