Japanese
English
原著
心外膜直接誘導心電図(第1報)
The Direct Epicardial Electrocardiogram. (The First Report)
宮地 睦雄
1
Mutsuo MIYAJI
1
1大阪大学医学部第一外科教室
1The 1st Surgical Clinic, Medical School of Osaka University
pp.169-178
発行日 1955年3月15日
Published Date 1955/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200219
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Ⅰ.緒 言
単極胸部誘導はF. N. Wilson1)の発表以来,臨床上に応用せられて心電図学上多くの発達をもたらした。即ち単極胸部誘導が広義においては関導子直下の心筋の電位を反映して居るという事に立脚し,心臟興奮伝導様式の理論の裏付けにより発達して来たのである。而して実際に人に於て心外膜直接誘導を記録し夫と単極胸部誘導とを比較し,その相関性並に信倚度を決定する事は極めて重要な事と思われる。然し乍らその実施に当つては開胸其他の困難が伴い,近時心臟外科の発達と共に之に関する知見も発表されつつあるが未だ多くを見ない。即ち今迄私の調べた範囲ではHein2),Carouso3), Mc Gregor4)等の報告に過ぎない。而も之等の報告には相当の相違が認められ,心電図学上の種々の重要な問題の解釈に混乱を招いて居る様である。
最近私は心臟手術時直接に心外膜誘導心電図を記録する機会を得たので,今回はその成績の大要を記し考察を加えて見たい。
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