症例
大血管転位症の2例
三枝 正裕
1
,
和田 達雄
1
1東京大学医学部木本外科教室
pp.183-186
発行日 1954年5月15日
Published Date 1954/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200156
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大血管転位症という病気は,大動脈,肺動脈の二つの大血管の心室からの起始部が転位して,その位置的関係が正常でない先天性心臓疾患である。
この疾患の定義及び分類には諸説あり,混乱の気味があるが転位が著しく正常と全然逆になつた場合には右心室から大動脈が出,左心室から肺動脈が出ることゝなりこれを完全転位(Complete Transposition)といい,転位が完全でなく,二つの大血管が同一の心室,若しくは唯一つの心室から出る場合を部分転位(Partial Trs—nsposition)というようである1)2)。
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