Japanese
English
Bedside Teaching
睡眠時無呼吸症候群の歯科治療
The Use of Oral Appliance in Obstructive Sleep Apnea Syndrome
宇塚 聡
1
Satoshi Uzuka
1
1日本歯科大学附属病院矯正歯科
1Division of Orthodontics, The Nippon Dental University Hospital
pp.1159-1165
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102091
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はじめに
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome;SAS)は入眠すると呼吸停止が起こる疾病であり,呼吸中枢に起因する中枢型睡眠時無呼吸症候群(central sleep apnea syndrome;CSAS)と気道の狭窄や閉鎖に起因する閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome;OSAS)に分類される.OSASは,入眠により気道周囲筋が弛緩すると気道が物理的に閉鎖して低呼吸や呼吸停止を引き起こす.その後,酸素分圧の低下により覚醒反応が生じて呼吸が再開するが,入眠により再び気道が閉鎖する.このサイクルを繰り返し,睡眠不足によるストレスホルモンや免疫因子増大による耐糖能低下をはじめとして,動脈硬化,高血圧などを誘引し生活習慣病を発症させる.この疾病は睡眠時ポリグラフ検査(polysomnography;Full PSG)により確定診断を実施するが,その結果,OSASが認められるものの,nCPAP(nasal continuous positive airway pressure)の適用が本邦での医療保険外となるAHI(apnea hypopnea index)が20未満(簡易型PSGでは40未満)の場合は,医療保険内の治療方法として可撤式装置である口腔内装置(oral appliance;OA)を適用する.一方,AHIが30以上のOSAS重症例においてもnCPAPと併用することによりさらに治療効果が向上する.さらに,nCPAPの継続的使用が困難な患者に対してもOAが適用される場合がある.
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