Japanese
English
特集 呼吸不全を来す難治性呼吸器疾患克服への取り組み
肺移植
Lung Transplantation
伊達 洋至
1
Hiroshi Date
1
1京都大学大学院医学研究科器官外科学講座呼吸器外科
1Department of Thoracic Surgery, Kyoto University School of Medicine
pp.157-164
発行日 2011年2月15日
Published Date 2011/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101633
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はじめに
1983年のCooperらの成功例に始まった脳死者からの肺移植は,すでに29,000例を超える実施数がある1).様々な肺疾患に対して欧米では定着した医療となっている.
一方,脳死問題のために日本の移植医療は大きく出遅れた.日本の肺移植は,1998年10月に筆者らによる岡山大学での生体肺移植成功に始まった.2000年3月には,待望の脳死肺移植が,大阪大学と東北大学で始まった.1997年に施行された臓器移植法では,脳死ドナー本人の臓器提供意思表示が明確であることが条件であったため,その提供数は極めて少なかった.2010年7月に臓器移植法が改正され,家族の意思で臓器提供が可能となり,著明に提供数が増加している.
ここでは,2010年9月までに日本国内で実施された172例の肺移植(生体96例,脳死76例)をもとにまとめる2).
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