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Bedside Teaching
重症真菌感染症の治療戦略
Treatment Strategy for Severe Fungal Infections
詫間 隆博
1
,
吉田 耕一郎
1
,
二木 芳人
1
Takahiro Takuma
1
,
Koichiro Yoshida
1
,
Yoshihito Niki
1
1昭和大学医学部臨床感染症学
1Department of Clinical Infectious Diseases, School of Medicine, Showa University
pp.1045-1050
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101563
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はじめに
真菌症には白癬などの表在性真菌症と肺炎などの深在性真菌症とがあるが,重症になるのはほぼ後者に限られる.本邦での深在性真菌症の治療ガイドラインは深在性真菌症のガイドライン作成委員会編「深在性真菌症の診断・治療ガイドライン2007」1)および日本化学療法学会の「一般医療従事者のための深在性真菌症に対する抗真菌薬使用ガイドライン」2)があり,詳細は上記を参照されたい.
重症の深在性真菌症を起こす患者の大半には,免疫低下を来すような重篤な基礎疾患が存在するため,まずは基礎疾患の治療が重要である.次に膿瘍があればドレナージ,特に糸状菌の場合は外科的切除が重要で,中心静脈カテーテル感染など異物の感染であればそれを直ちに取り除くことが重要である.抗真菌薬は上記に加えて使用される.
本稿では,重要な真菌である酵母様真菌(カンジダ,クリプトコックス),糸状菌(アスペルギルス,接合菌),ニューモシスチスの重症な病型に絞って概説する.
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