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Current Opinion
心房中隔欠損のカテーテル治療の現状
Current Status of Transcatheter Closure of Atrial Septal Defect
安河内 聰
1
Satoshi Yasukochi
1
1長野県立こども病院循環器科
1Department of Pediatric Cardiology, Nagano Children's Hospital
pp.1305-1310
発行日 2009年12月15日
Published Date 2009/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101393
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心房中隔欠損のカテーテル治療をめぐる最近1年間の全般的な話題
現在カテーテル治療の対象となるのは,2次孔型の心房中隔欠損と卵円孔開存である.静脈洞型心房中隔欠損や,冠状静脈洞型欠損,一次孔型心房中隔欠損はカテーテル治療の対象とならない.
心房中隔欠損に対するカテーテル治療は,1974年にKingらが初めて報告したことに始まる1).その後RashkindのClamshell Occluder,CardioSEAL,STARFlex,Sideris Buttoned Device,Angel Wings Deviceなど,様々な閉鎖栓が開発されてきたが,これらの閉鎖栓はself-centering systemを持たないため,留置する際に操作が難しく,また閉鎖栓構造の脆弱性や周囲組織への侵襲などの問題が指摘され,広く一般に使用されるには至らなかった2).1997年にMasuraらによりself centering systemを持つ2枚のディスクで欠損孔を閉鎖するAmplatzer Septal Occluder(ASO,AGA社製)が紹介されると,その良好な操作性と閉鎖率の高さのために全世界的に広がった3).本邦では1998年にこのASOの最初の臨床治験が行われたが,その後使用認可に非常に時間を要して2005年になって保険適用となった.現在までに全世界でASOによる心房中隔欠損閉鎖は9万件を越えている.
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