Japanese
English
特集 睡眠時無呼吸症候群(SAS)と心血管障害
SASと冠動脈疾患
Sleep Apnea Syndrome and Coronary Artery Disease
高田 佳史
1
,
山科 章
1
Yoshifumi Takata
1
,
Akira Yamashina
1
1東京医科大学内科学第二講座(循環器内科)
1Second Department of Internal Medicine(Cardiology), Tokyo Medical University
pp.677-683
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101291
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome;SAS)は,高血圧,心不全,脳卒中などの循環器疾患の病態と密接に関連することが明らかとなってきた.SASと冠動脈疾患(coronary artery disease;CAD)との関連については,CAD患者には高頻度に閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea;OSA)が合併することが報告されているが1~3),高血圧や心不全ほどには検討がされていない.また,OSAと夜間心筋虚血との関係にはいまだに一定の見解はなく,OSAがCADを発症させる機序についても十分には解明されていないことから,両者の直接的な関係は確定的とはいえない4).しかしその一方で,CAD患者に合併するOSAを持続陽圧呼吸(continuous positive airway pressure;CPAP)で治療することで遠隔期の心血管イベントが減少することが報告されている5).さらに近年,急性冠症候群(acute coronary syndrome;ACS)の発症や経皮的冠動脈形成術(percutanous coronary intervension;PCI)後の心事故発生にOSAが関与していることが次々と報告され6,7),OSAはCADの発症,再発,予後に関わる新たな危険因子として注目が集まっている.
本稿では,SASのうち,主にOSAとCADの関連に関するこれまでの知見を中心に解説する.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.