Japanese
English
特集 呼吸器疾患治療の進歩:薬物療法と非薬物療法
特発性肺線維症の薬物療法
Idiopathic Pulmonary Fibrosis: drug treatment
桑野 和善
1
,
荒屋 潤
1
,
皆川 俊介
1
Kazuyoshi Kuwano
1
,
Jun Araya
1
,
Syunsuke Minagawa
1
1東京慈恵会医科大学内科学講座呼吸器内科
1Division of Respiratory Diseases, Department of Internal Medicine, Jikei University School of Medicine
pp.575-580
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101275
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はじめに
特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias:IIPs)のうち約半数を占める特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis;IPF)は,慢性炎症から線維化に至るという概念に基づき,抗炎症作用を期待してステロイドや免疫抑制剤が使用されてきたが,その効果は乏しく診断からの平均生存期間は3~4年である.最近,病態に対する研究の成果によって,線維化の進行は,慢性炎症ではなく肺上皮細胞損傷と修復異常によって引き起こされると認識され,新たな治療戦略が提案されている.
本稿では,薬物療法の現状,無作為化比較対照試験(randomized controlled trial;RCT)の行われた新規治療薬,また,今後開発が期待される薬剤について解説する.
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