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特集 脂質異常症治療の展望と課題
脂質異常症治療の薬物療法と大規模臨床試験
Clinical Trials in Lipid Disorders
佐瀬 一洋
1
Kazuhiro Sase
1
1順天堂大学大学院医学研究科臨床薬理学
1Department of Clinical Pharmacology, Juntendo University School of Medicine
pp.1121-1130
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101145
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はじめに
コレステロール低下療法に対する大規模臨床試験は,心血管疾患の予防および治療にとどまらず,薬物療法の歴史のなかで最も有名な事例の一つに数えられている.いわゆる生活習慣病については食事や運動療法が基本であることは言うまでもないが,スタチンはその登場以降,代用エンドポイントに限らず,総死亡率などの真のエンドポイントにより高いレベルでリスクとベネフィットが検討されてきた.
近年,動脈硬化性疾患予防ガイドラインが改訂され,高脂血症は脂質異常症としてその疾患概念がより明確になりつつある.本稿では,これまで発表された大規模臨床試験を振り返るとともに,日本発のエビデンスが世界に向けて発信され始めた状況を踏まえ,国際共同試験への貢献も視野に入れて,脂質異常症の薬物療法について展望する.
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