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Current Opinion
塞栓予防効果における血小板凝集能と臨床効果
Role of Platelet Aggregation and Clinical Effects of the Platelet Aggregation Control in Prevention of Thromboembolism
東丸 貴信
1
Takanobu Tomaru
1
1東邦大学医療センター佐倉病院循環器・臨床生理機能学
1Department of Clinical Physiology, Toho University School of Medicine Sakura Hospital
pp.1053-1059
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101133
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塞栓症と血小板凝集能をめぐる最近1年間の話題
塞栓症には動脈系の血栓塞栓症と静脈系のものがある.血小板凝集は動脈系に主に関わるが,静脈系にも影響することが知られている.心原性血栓塞栓症に関しては,生活習慣病においてリスクが増加する機序やその臨床的重要性に関する研究が進んだ1).特に糖尿病では血小板凝集能が高まるのみでなく,血小板凝集抑制薬に対する反応も低下することが示された.また,脳梗塞などの脳血管イベントの予防に様々な抗血小板薬が有用であることが証明された.さらに静脈血栓塞栓症予防においても血小板凝集抑制療法の有用性についてある程度の評価が得られた.そして,Sticky platelet syndrome(SPS)やヘパリン起因性血小板減少症(HIT)といった疾患が新たなリスクとして注目されている.これからの血栓塞栓症予防において血小板凝集能を含む血小板機能動態の把握は極めて重要であると考えられる.
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