書評
―白日高歩・小林紘一・宮澤輝臣 編―気道をめぐる治療手技―各種インターベンションのすべて
近藤 丘
1
1東北大学加齢医学研究所・呼吸器再建研究分野
pp.1285
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100931
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最近とみに医療の安全に関する世間の目が厳しくなっているが,もちろん医療に100パーセントの安全を求めるのが不可能なことは言うまでもない.しかしながら,情報の伝達速度が以前とは比較にならないほど速やかな今日においては,より新しく,より正確な情報を手に入れて自らをアップデートしておくことが,特に先端的な医療に携わる医療者にとっては必要なことであり,その安全に配慮しつつ日々の医療を実践していると評価されるうえでも必須なことと言える.
気管支鏡は私が駆け出しの医師の頃はファイバースコープであり,画像も現在の電子スコープには遠く及ばず,手技的にも観察と可視病変の生検,末梢病巣の擦過などに限られたものであった.それが今日では内視鏡そのものは言うに及ばず,それを応用した手技,なかでも治療手技の進歩には目覚ましいものがある.次々と新しい手技,そしてそれに伴う新しいデバイスが開発され,それが先端的医療を行う施設で試験的に実践されている.学会などでそのポジティブな評価がなされると,続いて末広がりに日本全国に手技やデバイスが浸透していくのであるが,先行する施設での経験をもとにしたガイドラインや手引きといったものが,実は追いついていないのが現状であろうと思う.
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